【店舗デザイン】工事を依頼する業者の種類や選び方のコツ

店舗デザインには集客力や顧客満足度、ブランディングを高める役割があります。デザインの依頼先は設計事務所と店舗工事専門業者、工務店の主に3種類の中から自社のテイストに見合った、実績の豊富な会社を選ぶことが重要です。
飲食店や雑貨・服飾店など、開業の際にはしっかりと店舗デザインを考える必要があります。店舗デザインにはオーナーが理想のお店を作るためだけでなく、さまざまな効果をもたらしてくれるため設計・工事を行う会社をしっかりと選ぶことが重要です。ここでは店舗デザインが及ぼす効果についてや工事の主な流れ、また工事を担当する業者の種類やその選び方のポイントに関して解説します。

店舗デザインの効果について

店舗デザイン

店舗デザインが及ぼす効果の1つに、集客力の向上が挙げられます。近年は料理や飲み物などお店で提供されるメインのサービス以外にも、写真映えや居心地の良さなど付随するサービスが求められる時代です。

特に個人が手軽に発信できるSNSサービスにおける、写真での拡散の力は侮れません。もちろん写真映えばかりを気にしすぎて、店舗のサービス内容や雰囲気からかけ離れたデザインにすると人気が一過性のものとなる危険性が高いためあくまで一要素として認識しておきましょう。重視すべきはお店のコンセプトであり、独自の方針とマッチしたオリジナリティのある店舗デザインを心がけることが大切です。

優れた店舗デザインにより、顧客満足度がアップするのも見逃せないポイントです。飲食や買い物自体が自宅で手軽に出来るようになった現代において、あえて外に出て実店舗で行う意味を見出してもらう必要があります。週末になったらあの店に食事に行きたくなる、何か新作が入荷していないかついつい寄りたくなるなど、店舗デザインによって上手く演出できるように工夫を凝らしましょう。

おしゃれでありつつも使いやすいインテリア、雑貨がたくさんあるけれど十分な広さを確保したスペース、商品やメニューが映える照明など機能性と見栄えを両立させたお店が理想です。

お店のブランディングを高める要素があるのも、店舗デザインの効力の1つです。他の会社・店舗と差別化を図り、お店のファンになってもらうためには重要な要素となり得ます。コンセプトを明確にして、工事をその通りに実行して開店した後も一貫して続けられるようなものが必要となります。

店舗デザインの工事を依頼する業者の種類

店舗デザイン

店舗デザインの工事を依頼するにあたって知っておきたいのが、工事を依頼する業者の種類・カテゴリーです。まず候補として挙げられるのが、設計事務所です。文字通り店舗の外装・内装のデザインの設計、アイデアの提案を担当します。

特徴としてはデザイン面に特化しており、高度なデザインを施すことができます。工事に関しては、別の会社に依頼することとなるため店舗デザインの費用が高くなりがちです。ただデザインのみならず、施工管理まで一貫して提供する設計事務所もあります。トータル的にプロデュースしてくれるため、デザイン・工事の両面のクオリティが高いのがメリットです。次に店舗の内装工事に特化した、店舗工事専門業者もその候補の1つです。

施工に加えてデザイン・設計、集客方法や開店準備・資金調達などトータル面までサポートしてくれる業者もあります。店舗開業まで期間が少ない場合において、スピードが求められる場合に良い選択肢です。デザイン設計と工事の両方が可能な店舗工事専門業者であれば、設計から工事までの流れがスムーズになります。

そして住宅などと同じように、工務店も店舗デザインを依頼することが可能です。現場で施工を行う職人が所属しており、文字通り工事が得意です。またこちらも他の業種と同じように、デザインや設計から一任できる会社も存在しています。設計事務所ほど凝ったデザインは期待できないものの、現場での対応力や職人ならではの高度な技術力が期待できます。和風のお店や木造の施設など、工務店が得意とするスタイルの店舗であればハイクオリティな内容が提供されることでしょう。

店舗デザインを依頼する業者の選び方

店舗デザイン

開店前からつまずかないためにも、信頼できる業者の選び方をしっかりと見ていきましょう。失敗しない業者選びのポイントとして挙げられるのが、スキル・実績の豊富な会社を選ぶことです。オープン予定の店舗の業種・業態のデザインに、対応できるスキルや豊富な事例を持っていることが重要です。

設計事務所や工務店は、得意・不得意があるのが当然でありあらゆる業種に対応できる会社は稀と言えます。必ずどこかしらの業種・スタイルに特化していたり、制作事例が多かったりするため確認してから依頼するのが大切です。

業種に加えて、得意とするテイストが自社の店舗に合う業者を選ぶことも大事です。華やかなデザインを得意としている会社に、シンプルなデザインを依頼しても上手くマッチしにくくなります。依頼を行う前にその会社のホームページを見て、過去の制作事例をしっかりと確認してください。自分がイメージする店舗、テイストや業態にマッチしたデザインを手掛けている会社であれば確実です。もし予算が潤沢にあってデザインにこだわりたい場合、デザインコンペを実施するのも1つの手です。

コンペ程ではないにしても、店舗デザインの費用を相見積もりで比較するのは大切な手順と言えます。依頼内容によって費用が前後するため、さまざまな企業に見積もりを依頼して比較すると良いです。

加えて依頼可能なサービス内容に関しても、しっかりとチェックすることが重要です。設計事務所や工務店など業態によっても異なりますが、カバー範囲となるサービス内容は会社によって大きく異なります。デザインや工事だけで良いのか、開店後の運営に関してもサポートしてほしいのかで求めるサービスは変わってきます。サービス内容やその効果範囲、料金体系などもしっかりと把握しておきましょう。

店舗デザイン工事の主な流れ

店舗デザイン

店舗デザイン・工事を依頼する際の、一連の流れを見ていきましょう。依頼先が決まったら、店舗デザインに関する打ち合わせが始まります。デザインを大きく左右する、コンセプトや予算など基本的なことは事前に決めてから臨むことが重要です。この時、設計したい店舗デザインのイメージに近い写真や資料を準備しておくと話がスムーズです。打ち合わせにこのイメージ写真・資料を見せつつデザイナーと話し合うことで、認識の齟齬が発生しにくく理想的なデザインを実現しやすくなります。

打ち合わせ内容を基に、会社が完成予想図を作成します。スケッチや3D描画など、会社やデザイナーによって使われる媒体はさまざまですが約1〜2週間ほどで第一案が提出されることが多いです。ちなみに店舗デザイン案が決まった後から、修正リクエストを出すとスケジュールが大幅に遅れたり、修正のための費用を請求されることに繋がります。

この共有段階で、しっかりと意見の擦り合わせをしておくことが大事です。工程が後になるほど、事前の段階に戻るような変更・修正は費用と時間を浪費する行為と覚えておきましょう。

無事に店舗デザインが固まったら、施工業者の選定へと移ります。これは別の会社に依頼する場合であり、デザインから工事まで一貫して行っている会社の場合はこの工程は必要ありません。選定に関しては、デザイン会社から紹介される場合もあります。施工会社を自分で選ぶ際は、施工会社にデザイン案を見せつつ複数の会社から見積もりを受けるのがポイントです。

施工会社が決まったら、1週間ほどの準備期間を経て内装工事に取りかかります。電気・ガスなどインフラ面と、インテリアなどの内装など多彩な作業を行いながら工事を進めます。工事期間は店舗の規模によりますが、6週間から2ヶ月ほどが目安と見ておきましょう。工事が完了したら設備面の状態、什器の使い勝手などを確認して問題がなければ完了です。

店舗デザインは集客・顧客満足度やブランドイメージなど、多大な影響をおよぼす箇所であるためコンセプトの設計は入念に行うことが大事です。実績とスキルに加えて、自社の店舗の業態やテイストにマッチした業者を選ぶことが大切になります。